研究員コラム
- 2024
- 08
沼津市 大瀬崎で環境学習
表紙のカラフルな写真の正体、分かりましたか?
今年の8月に大瀬海水浴場で同県清水町とNPO「海プラスSOU」が開催する環境学習活動に参加してきましたので、その模様を報告します。
環境学習には、清水町の小学生とその保護者の方19名、清水町のスタッフ3名に参加して頂きました。清水町は、日本三大清流のひとつである柿田川が流れる、沼津市に隣接した内陸の町ですので、普段海と接する機会がないところです。
当初は、アマモ場の再生に向けたアマモの播種(種まき)を予定していましたが、生憎、今年はアマモの生育が不良であったこともあり、メニューを変更し、ビーチクリーン、マイクロプラスチックの採集・観察、磯遊びをしました。海で活動する前のミーティングでは、万が一に備え、津波発生時の避難経路を確認しました。山、川、海のつながりやマイクロプラスチックがどこからきて、なぜ問題になるのかを学んだあと、砂浜でビーチクリーンとマイクロプラスチック採集をしました。
マイクロプラスチックの採集には、①スコップで砂を集めて、②5mmの篩を通過し、1mmの篩に残ったものを海水を張ったバケツに移し、③表面に浮いたゴミを集め、虫眼鏡等で観察しました。砂浜では、小さなゴミでも赤や青、黄色といったカラフルなものは目で見て集めることもできます。一方で、発泡スチロール片のような白く、細かなものは見つけにくいのですが、海水に浮かせることで集めることができます。
その後は、みんなが待ちに待った磯遊びです。最近は海離れが進んでいるようですが、子供たちがカニを捕まえたり、近くを泳ぐ魚を夢中になって捕まえようとしたり、磯遊びを楽しんでいる様子がとても印象的でした。
また、保護者の方々からは、「車で30分くらいの隣町だけど大瀬には初めて来ました」や「(磯遊びで海に入って楽しんでいる子供をみて、)自分の子供がこんなに海に興味があると思っていなかった」という声もお聞かせ頂きました。
8月2日に開催された都市漁村交流推進協議会 トーク&トークで、アクトインディ(株)(子供とお出かけサイト「いこーよ」の運営をはじめ、全国の海に関わる体験100種類以上をプログラム化)の上野様が仰っていたように、子供たちを海に呼び戻すことも、今後の漁村や地域の賑わい、振興にとって重要なことであると思います。遠方からの集客、交流も大事ですが、近くの町にもそのようなポテンシャルがまだまだ眠っていることを実感することができました。
海の近くにはたしかに津波の不安や危険はありますが、正しい知識を持って、海に親しみをもって頂けたらなと思います。
海の家で食べる、知る人ぞ知る名物『夏野菜カレー』も抜群に美味しかったです!