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- 2025
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第2回海業推進全国協議会を開催しました
はじめに
令和7年2月3日、農林水産省7階講堂にて第2回海業推進全国協議会が開催されました。
本協議会は、今後、海業を更に発展させていくため、地域の漁業を支えてきた漁業者や漁業協同組合と、地方公共団体やNPO等の団体、そして、様々なノウハウを持つ民間事業者を対象に、海業に関する政策情報や、優良な取組事例を共有する場として開催されました。
全国の漁業関係者、行政機関、民間企業等の方々から、会場・Web併せて550人を超えた参加者が集まりました。
また、水産庁がこれからの海業を推進し漁港の魅力を伝えるための3体のマスコットキャラクターのお披露目&“海業親善大使”のキャラクターの名前を決める投票が行われました。
漁村総研は事務局として参加しましたので、当日の協議会の様子をご紹介いたします。
内容
本協議会の冒頭、庄子賢一農林水産大臣政務官からの挨拶の後、まず、水産庁漁港漁場整備部計画・海業政策課の渡邉浩二課長より、海業の推進に向けた制度や支援事業等について説明がありました。
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開会挨拶
庄子 賢一
(農林水産大臣政務官) -
海業推進に向けた政策について
渡邉 浩二
(水産庁漁港漁場整備部計画・海業政策課)

- 工藤 貴史教授
- 国立大学法人東京海洋大学
基調講演は、国立大学法人東京海洋大学の工藤貴史教授より、「人口減少社会における海業推進の意義と課題 −地域資源の活用による持続可能な社会の実現−」と題して基調講演がありました。
人口減少下において持続可能な社会を実現するためには漁業と海業を維持発展させることが重要であること、漁港で計画的に海業を推進することで地域資源の有効活用を図ることが海業推進のポイントであること、①活用推進計画と浜プランとの整合性を図ること②地域資源の性格を最大限発揮させて集積効果を高めること③漁港DXが今後の海業推進の課題であることについてお話がありました。

- 小林 正典特任部長
- 公益財団法人笹川平和財団
公益財団法人笹川平和財団の小林正典特任部長より、「日本版ブルーエコノミーとしての海業推進」と題して特別講演がありました。国内外の多様な海洋環境保全と海洋資源活用の事例を通じ、海洋と経済振興・持続可能なブルーエコノミー・持続可能な海業についてお話しがありました。

- 松浦 城太郎係長
- 静岡県西伊豆町役場
静岡県西伊豆町役場の松浦城太郎係長からは、直販所で釣った魚と地域通貨を直売所「はんばた市場」で交換する「ツッテ西伊豆」取組や、アプリを活用して漁港の釣り利用を適正管理する取組「海釣りGO」について事例紹介がありました。

- 濱住 博之代表理事組合長
- 魚津漁業協同組合
魚津漁業協同組合の濱住博之代表理事組合長からは、マリーナの指定管理や直営の宿泊・食堂施設の運営など、漁協主体の海業の事例紹介がありました。

- 中山 勝比古相談役
- 有限会社日間賀観光ホテル
有限会社日間賀観光ホテルの中山勝比古相談役からは、漁業・観光業等が一体となって日間賀島の資源を活かし、島全体の活性化に向けた事例紹介がありました。

- 川村 結里子代表取締役
- 株式会社結屋
株式会社結屋の川村結里子代表取締役からは、静岡県沼津市の内浦漁協直営食堂「いけすや」を事例として、地域内外の関わりたい人がかかわれる仕組み(=関わりしろ)をつくり、地域や海業を活性化させる取り組みについての事例紹介がありました。
全体質疑
これらの発表に対して、会場から予定された質疑応答の時間を越えて多くの質問があり、終了後も発表者に対する質問がなされるなど、参加者の方々の高い関心が感じられました。
おわりに
閉会後には、参加者同士での活発な議論が行われていました。

- 海業マスコットキャラクターの
名前が決まりました! - 冒頭の庄子賢一農林水産大臣政務官からの挨拶の中で、マスコットキャラクターのお披露目&“海業親善大使”のキャラクターの名前を決める投票の呼びかけがあり、会場参加者からの投票の結果、「ぎょっこん」に名前が決定しました。
右がウミウシをモチーフとした「うみーぎょ」、左がウミネコをモチーフにした「うみにゃーご」です。 -
(第3調査研究部 成田 伊沙哉)