漁村総研について

ごあいさつ

私どもの研究所は、昭和57年9月13日、農林水産大臣の許可を受け、「財団法人漁港漁村建設技術研究所」として設立されました。その設立趣意書においては、「新しい時代の要請に対応して、美しい自然に囲まれたよりよい漁港、漁村を整備していくためには、漁港、漁村整備関係の研究成果及び実施例を活用しつつ、近年の大量情報処理技術等も積極的に取り入れて、計画、設計、施工あるいは管理運営等に関する実用技術を確立することが前提」であり、このような問題に取り組む唯一の組織(研究機関)として設立することが謳われております。そして、この設立趣旨に賛同いただいた地方公共団体、漁業関係団体、民間企業から多額の資金を拠出いただきました。

爾後、平成15年8月には社団法人全国沿岸漁業振興開発協会の業務の一部を引き継ぎ名称を「財団法人漁港漁場漁村技術研究所」に改称。さらに、平成25年2月20日からは、新しい公益法人制度の下で、現在の一般財団法人漁港漁場漁村総合研究所に移行いたしております。

この間、漁業集落の整備計画に関する調査研究を始め、漁港施設・海岸保全施設の設計基準、漁港漁村の防災・減災対策、海洋深層水の水産利用、水産基盤整備の費用効果分析、衛生管理型市場の計画設計等漁港漁場漁村分野における技術的あるいは政策的に重要な分野の調査研究を継続して行い、その成果を研究所が主催する調査研究発表会や各種学会において発表しています。また、毎年開催している地方公共団体の職員を対象とした技術者研修会、地方公共団体等が開催する講習会への講師派遣という形での普及活動も行っています。さらに、東日本大震災に際しては、研究所独自の立場から、有識者をお迎えし、復旧復興についての政策提言を行いました。研究所は、設立趣旨に賛同いただいた方々の期待に十分お応えすることができたものと自負しています。

設立以来30年が経過し、水産業あるいは漁港漁場漁村をめぐる状況もめまぐるしく変わってきています。設立時には1,000万トンを超える漁獲を誇っていた漁獲量は半減し、漁業就業者の高齢化や漁船の高船齢化が深刻な問題となり、また、消費者の魚離れの傾向も顕著です。津波対策など漁村の防災減災対策の重要性もクローズアップされています。それとともに、調査研究の内容も、以前は施設を建設するための個別の技術的課題が中心だったものが、施設そのものの必要性を問うもの、施設整備と施設運営のシステムの最適化を目指すものなどハードとソフトを組み合わせた総合的な調査研究課題へと変わっています。この趣旨で研究所の名称を「技術研究所」から「総合研究所」に変更しました。

いずれにしましても、設立以来のモットーである「みんなの研究所」としての理念を大事にし、誰もが気軽に相談できる研究所でありたいと願い、今後とも水産業と漁村地域の発展のため尽力して参りたいと思っております。引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。

理事長 影山 智将